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式年遷宮みたいに、ずっと続くしくみをつくれるだろうか。

スタートアップのブランド論対談<オモロキ鎌田武俊>第3回

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「ボケて」は2007年からスタートした、お題を出して、それに対してボケ合うユーザー参加型のサイト。これまでの累計ボケ投稿数は5000万に迫る勢いで、お題投稿数も250万以上と、あらゆる人がサイトを訪れ、お題を出し、ボケ合っている。それを運営しているのが、株式会社オモロキ。とてもユニークな価値観を持つ企業だ。ボケてを生み出したオモロキという会社の源泉を、スタートアップのブランディングを多数手がける、パーソナル・ベンチャー・キャピタル代表、チカイケ氏が解き明かす。

 

聴き手・文:BRAND THINKIKNG編集部 撮影:落合陽城

 

らしさ=アイデンティティをつくる思考法。

チカイケ:ブランドって何?ってよく聞かれるんですけど、僕はいつも「らしさ」と答えています。アイデンティティは何か、ということなんですけれども。

鎌田:「らしさ」っというのは、しっくりきますね。

チカイケ:鎌田さんは「ボケて」や「オモロキ」のイメージ作りに関して、どんなことを考えているんですか。

鎌田:やっぱり発信する側である私たちが、自然であるかどうか、というのはとても大事ですよね。思考というか、感じ方を鍛えるようにしています。

チカイケ:どんなふうに鍛えているんですか。

鎌田:昔、現代アートを鑑賞するのが苦手だったのですが、3年前から自然にするようにしています。アートは人によって感じ方が違い、見る時の感情によっても違うものです。そこに「エポケー」を方法論的に使って鑑賞するようになりました。それは、作品の前で目を閉じて、何も考えない状態を作って、ぱっと目を開いた時に自分がどんな感情を持ったか、すぐにメモ。みたいなことを何十回も繰り返します。そうすると、悲しい感じ10回、嬉しい感じ10回とか、真ん中が気になった5回。などなど、同じ対象に対しても、心が違ったことや、同じことを想起します。作品への心の志向を、短時間で試行回数を重ねて、回数多く感じたものは大きく。そうでないものは小さくしたバブル状の図にします。それを今度はなぜこう感じたかを論理的にまとめて、作者の方がその場にいる際はこんなことを感じた、考えたと伝えてお話しするようにしています。「これはなんですか?」って質問するわけじゃなく、「こう感じました、こう考えました」って伝えると作者の方も楽しんでくれるので楽しく鍛えられます(笑)

 

小さな会社でも本質的なアイデアで、社会に貢献できるはず。

チカイケ:理念の「それ、もっと楽しくできる!」はどんな想いを込めているんですか。

鎌田:自分の特徴は「物事をいろんな視点から見られること」と思っているんです。IDEOという会社で、駅のホームの自動販売機の売上を増やしたい時に、そのデザインを変える、という発想ではなくて別のアイデアを観察から生み出した有名なお話しがあります。

チカイケ:どんなアイデアですか?

鎌田:駅のホームにいる人って、必ず時計を見るよね?という民族誌的調査から、自動販売機に時計をつけて、売上を上げました。そういう発想で、僕らみたいな小さな会社でも、視点を変えてできることをして、社会に貢献したいな、と思ったんですね。

チカイケ:それは、「オモロキ」をつくってからそう思っていたのですが?それとも「ボケて」を作る頃からそう思っていたのですか?

鎌田:順序から行くと「ボケて」の方が先ですね。ただ想いはずっと変わっていなくて。いろんなサービスを作っていきたい、という考えで会社名は「ボケて」とは別の「オモロキ」にしました。

チカイケ:ではこれからもどんどんいろんなサービスを出していこうと。

鎌田:ただ、自分たちの力不足で、それほどサービスはつくれていないのは反省ですね(笑)

 

世の中に、いい影響を与えるオモシロイしくみをつくりたい。

チカイケ:これから先、こんなサービスをつくっていきたい、というのはありますか?

鎌田:言語化からやっていきたいです。例えば、「ゾーン」 って言葉がありますよね。一流のアスリートしか持ち得ない感覚を「ゾーン」という言葉で表現することで、「じゃあ、どうゾーンに入ろうか」と、別にアスリートじゃない僕らみたいなふつうの人たちの思考が一歩進むと思うんです。

チカイケ:まだ言葉になっていない概念を、言語化するということですね。

鎌田:はい。まだモヤモヤしている、概念自体。アートは作品にしますが、できれば言語化をして、みんなが楽しめるしくみやサービスをつくっていきたいですね。

チカイケ:鎌田さんがすごい!と思うしくみはありますか?

鎌田:伊勢神宮の式年遷宮なんて1000年以上続いているじゃないですか。そうすると、「じゃあ自分も20年先までまた長生きしよう」という生き甲斐を持つ人がたくさん出てくる。たくさんの人に「いい影響」を与えています。いうなれば、「まだこの世にいたいな」と思えるような、オモシロイしくみをサービスとして出していきたいと思っています。

チカイケ:ぜひ「オモロキ」らしいオモシロイサービスを期待しています!

 

(おわり)

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株式会社オモロキ 代表取締役 鎌田武俊(写真右)
慶應義塾大学総合政策学部卒業。奥出直人研究室でウェブ、映像、デザイン、Flash、DTPからチームマネジメントまで広く学ぶ。大学在学中に六面体映像デバイスの特許を取得。卒業後は日本テレビ放送網株式会社に就職。2007年、オモロキ設立。代表取締役に就任。

パーソナル・ベンチャー・キャピタル 代表 チカイケ秀夫(写真左)
デザイナーの経験を経て、株式会社GMOで新規事業などさまざまな事業を経験。2015年よりパーソナル・ベンチャー・キャピタルの代表として活動開始。スタートアップ企業にブランディングを広めることを使命に、数多くのサポートを行っている。さまざまな企業のチーフ・ブランディング・オフィサー(CBO)を務める。




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