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2017.01.12

策に溺れるから採用できない。

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コミュニケーションばかり考えてしまう罠。

採用マーケティング研究所の「採用マーケティングの全体像を把握しました」という記事がとてもわかりやすいです。採用の現場をよく知っていて、結果を残してこられた方がしっかり書かれている印象です。しかし、この整理の通りしっかり採用を行って、成功する会社もあれば、失敗するところもあると思います。おそらく高確率で失敗するのではないか、と思います。

なぜか。それは多くの人が、アクションのところにある多数の項目を一番重視して考えてしまうからです。あらゆるメディアをどのようにしてミックスするか。楽しい作業ですし、難しい作業です。マーケティング用語で言えば、「マーケティング・コミュニケーション」と位置づけられるでしょう。

実際、結果を残す人事は、これだけのことを自社で考え、KPIを設定し追いかけて試行錯誤をしているはずです。人数や採用の質的な面でどんどんノウハウが溜まっていくと予想できます。実際に、採用がうまく行っていない会社の例で言えば、そもそも「欲しい人材像」が明確でないことが多いです。聞くと「素直で主体性がある」など、とても曖昧に決めていることが多いと感じます。私たちから言わせればそれは、フィーリングのみで採用していることと一緒です。

 

フィーリングで採用するのは罪。

フィーリングのみの採用がなぜ良くないかと言えば、例えば、とある社員が1次面接で通した応募者を、2次面接の部長が「なんでこんなやつ上げてきたんだ!」と1次面接の社員に話して落としたとします。「一緒に働きたいと思える人を採用する」という観点で見た場合、これは社員も部長も悪くありません。しかし、同時にそれは、「採用基準を共有化できていない」ことの証明でもあるのです。採用基準が共有できていなければ、なんとなくのフィーリングで社員は面接をしなければならなくなります。

「なんとなく」でやっていると、たまたま面接官と気が合い続けた人は採用ですが、そうでない人は落とされます。つまり本当にその会社にとって、必要な人かどうかわからないまま、採用をしていることになります。また、たまたま採用になった人も、その人たちと毎日一緒に働くかというと、そういうわけでもないしょう。つまり、実際に部署に配属になってから、配属した本人が「こんなはずじゃなかった!」とギャップを抱くかもしれないし、逆に同じ部署の人間が、その人に対してギャップを抱く可能性もあるわけです。だから、フィーリングのみでの採用は、うまくいかないのです。

 

1歩立ち止まって軸(=コンセプト)を整えるべき。

では、採用基準を明確にして、共有すればいいのか、というと、それだけでは圧倒的に足りません。重要なのは、その手前。「自社の理念」や「戦略」を踏まえた上で、採用でコミュニケーションしていくための軸(=コンセプト)をしっかり決めることです。そして、コミュニケーションですから、必ずターゲット設定が必要です。どんな人を採用したいのか、を採用基準とともになるべく具体的に、明確にしていくべきです。これはペルソナレベルまで具体的にしていくことが大切です。なぜならば、採用基準のみ決めても、自社にとって大切な人物像のイメージは、採用に関わる人それぞれで異なります。

ペルソナを決めることで、その人物像に近い人に気づきやすくなりますし、その人に伝えるべき内容も、より具体的にイメージできるはずです。それは例えば自社の魅力を伝える時に、「20代の男女」と「22歳、早稲田大学政治経済学部4年、野球サークル、ゼミは政治学、バイトは居酒屋…」としたときに、どちらのほうがより具体的なメッセージがイメージしやすいかということです。圧倒的に後者のはずです。これらを決めた上で、「どこで、何を伝えていくか」、すなわちコミュニケーションのミックスを考えるべきです。コミュニケーションから先に考えてしまうと、メッセージは媒体ごとでバラバラになるでしょうし、社員が応募者に話す内容も人によってバラバラ。いつまでたっても対処療法になってしまうでしょう。これでは採用の効率は上がりません。

こうした手法は、採用にブランドの理論を応用した考えになります。最近では「採用ブランディング」という言葉も出始めましたが、多くは「コミュニケーションをデザインで統一すること」という文脈で使われがちで、本質ではありません。水面下では2018年度の新卒採用も始まっています。焦らず、1歩立ち止まって、「そもそもの」ところから構築するほうが、その後、楽になっていくのです。

 

文:BRAND THINKING編集部/むすび株式会社 代表取締役 深澤 了

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深澤 了 ブランディング・ディレクター/クリエイティブ・ディレクター BRAND THINKING編集長

2002年早稲田大学商学部卒。山梨日日新聞社・山梨放送グループ入社。グループの広告代理店、アドブレーン社制作局にて、CMプランナー/コピーライター。2006年株式会社パラドックスへ。企業、商品、採用領域におけるブランドの基礎づくりから、CI・VI、ネーミング、スローガン開発、各種ツール、広告制作まで一貫したブランドづくりに携わる。手掛けた企業は採用関連のみで800社以上。2015年早稲田大学ビジネス・スクール修了(MBA)。同年むすび株式会社設立。2016年12月BRAND THINKING立ち上げ。初代編集長となる。

 




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